運行管理者試験の合格率が低い4つの理由

運行管理者試験は、多くの受験者が挑戦する国家資格の一つですが、合格率が低下傾向にあります。

本記事では、さまざまな角度からその運行管理者試験合格率が低い理由を探っていきます。

運行管理者を目指す方の、試験攻略のヒントになれば幸いです。

運行管理者試験の合格率

運行管理者試験合格率は過去10年間で貨物は14.4~43.9%、旅客は17.5~47.4%の間で推移しています。

合格率の平均値は、貨物が30.8%、旅客32.7%、約3割が合格率の目安です。

運行管理者試験令和4年合格率

貨物

受験者数合格者数合格率
令和4年度 第2回 (2023年度)貨物23,759人8,209人34.6%
令和4年度 第1回 (2023年度)貨物28,804人11,051人38.4%

旅客

受験者数合格者数合格率
令和4年度 第2回 旅客(2023年度)4,675人1,651人35.3%
令和4年度 第1回 旅客(2023年度)5,403人2,167人40.1%

運行管理者試験過去の年度別合格率

貨物

貨物の運行管理者試験は年2回実施され、毎回約3万人の方が受験しています。

年度受験者数合格者数合格率
令和4年度 第2回(2022年度)23,759人8,209人34.6%
令和4年度 第1回(2022年度)28,804人11,051人38.4%
令和3年度 第2回(2021年度)27,982人9,028人32.3%
令和3年度 第1回(2021年度)34,164人10,164人29.8%
令和2年度 第2回(2020年度)32,575人14,295人43.9%
令和2年度 第1回(2020年度)39,630人12,166人30.7%
令和元年度 第2回(2019年度)中止
令和元年度 第1回(2019年度)36,530人11,584人31.7%
平成30年度 第2回(2018年度)29,709人9,743人32.8%
平成30年度 第1回(2018年度)35,619人10,220人28.7%
平成29年度 第2回(2017年度)29,063人9,605人33.0%
平成29年度 第1回(2017年度)37,774人13,238人35.0%
平成28年度 第2回(2016年度)29,621人6,069人20.5%
平成28年度 第1回(2016年度)36,028人10,868人30.2%
平成27年度 第2回(2015年度)29,520人8,582人29.1%
平成27年度 第1回(2015年度)32,699人7,402人22.6%
平成26年度 第2回(2014年度)27,610人10,180人36.9%
平成26年度 第1回(2014年度)25,501人3,674人14.4%
平成26年度 臨時(2014年度)11,542人4,064人35.2%
平成25年度 第2回(2013年度)27,405人10,236人37.4%
平成25年度 第1回(2013年度)30,161人5,815人19.3%

旅客

旅客の運行管理者試験も年2回実施され、毎回約8千人の方が受験しています。

年度受験者数合格者数合格率
令和4年度 第2回(2022年度)4,675人1,651人35.3%
令和4年度 第1回(2022年度)5,403人2,167人40.1%
令和3年度 第2回(2021年度)5,787人1,999人34.5%
令和3年度 第1回(2021年度)6,740人2,196人32.6%
令和2年度 第2回(2020年度)7,610人3,604人47.4%
令和2年度 第1回(2020年度)9,714人3,026人31.2%
令和元年度 第2回(2019年度)中止
令和元年度 第1回(2019年度)8,263人2,624人31.8%
平成30年度 第2回(2018年度)7,605人2,868人37.7%
平成30年度 第1回(2018年度)8,998人2,856人31.7%
平成29年度 第2回(2017年度)8,588人2,928人34.1%
平成29年度 第1回(2017年度)10,462人3,694人35.3%
平成28年度 第2回(2016年度)8,028人2,085人26.0%
平成28年度 第1回(2016年度)8,169人2,876人35.2%
平成27年度 第2回(2015年度)7,027人2,269人32.3%
平成27年度 第1回(2015年度)6,889人1,205人17.5%
平成26年度 第2回(2014年度)5,709人1,200人21.0%

運行管理者試験の合格率が低い理由

運行管理者試験の合格率が低い理由として以下の4つの要因があります。

  1. 受験者の多忙な生活
  2. 法律の改正と社会情勢の変化
  3. 業界初心者の受験
  4. 試験内容の広さ

受験者の多忙な生活

運行管理者試験受験者の多くが働き盛りであり、仕事や家庭の責任の中で勉強時間を確保することが困難です。

とくに30代、40代の受験者は仕事と家庭の両立を試みながら、限られた時間で試験勉強を行わなければなりません。

そのため、十分な勉強時間を確保できない人が増え、それが合格率の低下につながっていると言えます。

法律の改正と社会情勢の変化

運送業界における大きな事故やトラブルが発生すると、法律が改正され試験問題も合わせて変更されることがあります。

これにより、試験の難易度が上昇し、合格がより困難になります。

例として、平成28年に起きた軽井沢スキーバス転落事故が挙げられます。

この事故を受けて、国土交通省は安全確保のための新たな指導を実施し、運行管理者は更なる責任を問われることとなりました。

運行管理者試験では、経験を活かした問題解決能力や法律知識も重要視されるようになりました。

業界未経験者の受験

異業種から運送業界への転職はハードルが低いです。

そのため、業界未経験者が運行管理者試験を受験するケースも少なくありません。

現役のドライバーや事務員は業務経験を活かせる場面もありますが、 運送業界が初めての方は0から学習する必要があり、難易度が高くなります。

試験内容の広さ

運行管理者試験には複数の分野の法律から出題されます。

そのため、それぞれの分野に関する深い知識と理解が求められます。

さらに、関連の法律が改正されれば出題範囲が増え学習する内容も増えます。

運送業界の事故やトラブルの改善のために法律が改定されることは多いです。

法律の改定に併せて、運行管理者試験問題の項目が増え出題範囲も広くなるので、合格率の低下にも影響します。

運行管理者試験の難易度

運行管理者試験の合格率と難易度は必ずしも比例しません。

合格率は年度ごとに前後していますが、試験の難易度自体は低いと言えます。

難易度が低い理由は、多くの受験者が所持している自動車運転免許の取得に関連する基本的な交通ルールや、運送ドライバーとしての基礎知識を持っている人には有利な問題が多いことです。

もちろん国家資格であるため、専門用語や労働条件に関する問題や、数学的な計算問題など、一般的には馴染みのない内容も出題されます。

しかし、これらの難しい内容の試験出題割合は少ないことも、難易度が低いと考えられる要因です。

運行管理者試験の難易度は年々上昇傾向にあるとされていますが、基本的な知識や実務経験を持つ人にとっては有利な部分も多いです。

国家資格としての特性や年々の難易度の上昇を考慮すると、適切な勉強方法と時間の確保が合格の鍵となるでしょう。

運行管理者試験の合格点

貨物の試験科目と合格点

貨物の運行管理者試験科目は下記の5種類です。

    1. 貨物自動車運送事業法関係:設問数8
    2. 報酬車両法関係:設問数4
    3. 道路交通法関係:設問数5
    4. 労働基準法関係:設問数6
    5. その他運行管理者の業務観点、必要な実務上の知識及び能力:設問数7

運行管理者試験(貨物)の合格点は、総得点が60%以上(30問中18問以上正解)となります。

さらに、科目ごとに1問以上の正解、「その他の運行管理業務観点、必要な実務上の知識及び能力」の科目では2問以上の正解が必要です。

旅客の試験科目と合格点

旅客の運行管理者試験科目は下記の5種類です。

  1. 道路運送法関係: 設問数8
  2. 報酬車両法関係: 設問数4
  3. 道路交通法関係: 設問数5
  4. 労働基準法関係: 設問数6
  5. その他運行管理者の業務観点、必要な実務上の知識及び能力: 設問数7

運行管理者試験(旅客)の合格点も、総得点が60%以上(30問中18問以上正解)となります。

さらに、科目ごとに1問以上の正解、「その他の運行管理業務観点、必要な実務上の知識及び能力」の科目では2問以上の正解が必要な点も貨物と同様です。

裏技

運行管理者試験に勉強せずに合格する裏技はありませんが、効率よく勉強することで勉強時間を少なくすることは可能です。

運行管理者試験に勉強時間を少なくして合格する裏技は以下の4つがあります。

  1. 隙間時間で動学習画を見る
  2. 過去問を解く
  3. 基礎講習

1つめは動画学習を取り入れることです。

動画学習は、仕事の休憩中や通勤中など隙間時間に学習可能です。

仕事が多忙な方は、勉強時間の確保が難しいので隙間時間をうまく活用できる動画学習がおすすめになります。

2つ目裏技は過去問を解くことです。

運行管理者試験の勉強をしても、勉強の効果を試さないと意味がありません。

勉強の効果を試せる唯一の方法が過去問を解くことなので、過去問を解き再学習が必要な分野を明確にしましょう。

また、過去問を解くことで試験問題の傾向をつかめます。

穴埋め形式の選択問題、複数の文章から正しい文章を複数選択する問題など、科目により出題形式が異なります。

さらに、試験時間に対して、どの程度の速さで問題を解く必要があるのかを分析することも可能です。

3つ目は基礎講習を真剣に受講することです。

運行管理者試験の前には基礎講習の受講が必須になります。

基礎講習の内容は、運行管理者試験の問題に直結するものも多いです。

講師の方は試験に出題されやすい部分を教えてくれるので、必要に応じてメモを取りながら受講しましょう。

一夜漬け

運行管理者試験は国家資格であり、貨物試験と旅客試験の二つに分かれています。

それぞれの試験には専門的な知識が求められるため、一夜漬けでの合格は非常に難しいです。

令和3年度第1回の合格率は約30%と低く、これを考慮すると、十分な学習時間が必要とされています。

過去のデータを見ても、平成23年度には約5割の合格率であったものが、令和2年度第1回では30.7%にまで下がっており、年々難易度が上がっていることが伺えます。

このような背景から、運行管理者試験を受験する際には、スケジューリングやテキスト選び、過去問題の練習など、計画的な学習が不可欠であると言えます。

一夜漬けの勉強では、試験の難易度や合格率を考慮した際、合格への道は厳しいと考えられるため、長期的な視点での学習が推奨されます。

運行管理者試験に落ちた場合

運行管理者試験に落ちた場合でも、落胆せずに次の試験に向けて準備を進めるましょう。

まずは冷静に自分の試験結果を振り返ります。

試験の結果をもとに、どの分野や項目で点数を取りこぼしたのかを分析することが重要です。

弱点や不得意な部分を特定したら、それを中心に再学習を始めることで、効率的に知識のブラッシュアップが可能となります。

また、模擬試験を繰り返し解くことで、実際の試験に近い状況での対応力を養うことができます。

経験者のアドバイスや学習方法も参考にしつつ、次回の試験に向けての準備を進めていきましょう。

また、運行管理者試験は年2回開催されているので、落ちても再試験を受けることが可能です。

まとめ

運行管理者試験の合格率が低い理由は、試験の難易度の高さ、出題内容の変動、さまざまな背景を持つ受験者の増加、そして実務経験を反映した実践的な問題が多いからです。

運行管理者試験を受験する方は、計画的に学習し試験合格を目指しましょう。

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